小林昭七のエッセイ集「顔をなくした数学者―数学つれづれ」(岩波書店)

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小林昭七の随筆集が岩波書店から7月30日に発行されることになった。

微分幾何および複素多様体の研究で、世界的な業績を挙げた著者の初のエッセイ集。「数学徒然」と題して書き留められた小片は、けっきょく完成を待たず遺稿となった。数学者の実像や数学記号がどんなふうに生まれたか、また「数学の美」とは何かといったエッセイから、数学および数学者に対する著者の深い思いが伝わってくる。(出版社のウェブサイトより)

ISBN978-4-00-005217-7 C0041。  詳細は下記URLを参照されたし。
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-005217 (岩波書店編集部からのメッセージおよび目次を読まれるにはここをクリック)。

岩波書店編集部からのメッセージ:

微分幾何および複素多様体の研究で、世界的な業績を挙げられた小林昭七先生が、2012年夏に急逝された。本書の原稿は、もともと科学ライブラリーの1冊として用意されていたものである。数学に関連するさまざまなトピックを小林先生なりの見方で料理して、広く一般の読者に、数学の面白さ、数学的思考の楽しさを味わってもらおうという企画であった。

2012年の春、先生から一束の書類が届いた。同封された手紙には、「まだ未完成であり、もう少し推敲したいので、まだ最終稿にはなっていない。この年末には仕上げるつもりだが、現状報告を兼ねて、原稿のコピーをお送りしておく」という内容が記されていた。見覚えのある字面で原稿用紙に書き込まれた原稿は一読して、いかにも小林先生の人柄を感じさせた。1日も早い完成を心待ちにしていたさなか、突然の訃報が飛び込んできた。一束のコピーが、けっきょく遺稿となってしまった。

ご家族や関係の方々と相談し、先生から未完成といわれた原稿ではあるが、こうして単行本として出版することができた。多くの方々に感謝したい。

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